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経済で読む「日・米・中」関係 [外国債券]

「基軸通貨ドル」の持つ意味を明らかにすることで、国際政治、軍事、経済の危機を明らかにするという趣旨の本。SANKEI EXPRESSの連載で見て興味があったからざっくり読んでみた。





以下、なるほどと思った箇所を抜き書き。

p.7

「新興国として成長が著しい中国もインドも、自国通貨をドルに連動させるか、それともできる限りドルに対して大幅に上昇させまいとして、ドルを買い上げ、ドル資産の象徴である米国債を購入し続けている。自国通貨のドルに対する安定こそが、これらの国々の経済的成功の方程式の要なのである。」

p.82

「国際石油市場はそれまでドルの独壇場だった。石油のために世界中がドルを必要とするから、ドルは世界の基軸通貨の座を保持できる。」

「産油国でドル支配に反旗を翻した一番手は、かのサダムフセインである。彼は2000年11月、国連の管理下に置かれていたイラクの石油輸出代金収入による人道物資基金をユーロ建てに置き換えた。」

グリーンスパン全FRB議長「イラク戦争は主に石油が目的」

「イランはフセインよりも用意周到である。06年3月に、ユーロ建ての石油取引所の設立計画を打ち上げた。価格もユーロ建てにする完全なドル駆逐作戦だった。が、結局実現できないままになっている。」

p.143

「2007年8月の米サブプライム危機の勃発を機に始まったドル暴落危機」

「07年11月19日にはリヤドでOPEC首脳会議が開かれ、すでに原油のドル決済をユーロ建て(日本向けには円建て)に切り替えたイラン代表が、各国に追随を呼びかけた。ところが翌日はアラブ産油国はこぞって現行制度の維持を申し合わせた。」

「そのちょうど2日前には(中略)、08年前半にも米軍がイランの先制攻撃に踏み切ると警告」

p.216

「米国債の保有者はFRBと米政府機関、さらに外国の政府機関と中央銀行、さらに世界銀行など国際機関があわせて総発行残高の78%」

「日銀など日本の役割ははっきりしている。米国債が不安定にならないように、中国など新興国とも歩調を合わせて対米金融協調に努めることだ。」

なるほど。ドルが決済で使われる限り、みんなドルを必要とする。原油のドル建てが生命線で、その体制に逆らう勢力は軍事力でつぶすのか。アメリカは欲しいものがあれば好きなだけドルを刷って、それを支払いにあてればいい。普通ならそんなことするとそんな通貨は暴落するけど、基軸通貨であるドルの場合はみんながドルを必要とするから、それでも買い支えてくれる。日本と中国は大量のアメリカ国債を抱えていて、ドルの暴落は自分たちにとっても望ましくないからそれを維持するように努めるのか。しかしアメリカの軍事力っていうのはそれだけ脅威なんだな。なんか世界経済って結構あらっぽいんだなあ。



タグ:ドル 米国債
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